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先日会社の、それはそれは大きなイベントに参加したのだ。
会も盛大のうちに終わり、皆で「お疲れすぅ~」的なことを吐きあっていると、それはそれはお偉い方がいきなり
「俺くんお疲れさん。これ飲みなよ」。
従業員が数百名規模の勤め先。そこの実質No,1であるお方から直々の「お疲れさん」。
更にはお品物まで。
あっあ…あざーーす!!
全身全霊を込めたお辞儀とともにソレを両手で受け取る。
見てみるとみんなが大好きなビールだったのだ。それもプレミアムモルツ。
だが、よく見てみるとプレモルの様子がおかしい。なぜだかいつもと違う。
受け取ったソレをくまなく見てみると…
賞味期限が5年も過ぎとるぅーーー!!
正確にいうと5年4か月。中学生だった坊主も成人するほどの年月だ。
ただ、お偉いさんからもらった時点では全力の笑顔。悲しいかな。
その人が帰ったあと、これをもらった他2名と「さすがに賞味期限切れは無くね?」的なことを話してたんだけど、最終的には3人とも歓喜の表情。
もしかしたら5年の月日で良い感じに熟成されたんじゃないですかね?
的なことを言ってみるが、うち1人の管理栄養士に「いや、それは絶対にありませんね」と一蹴。
ただまぁとりあえず飲んでみましょ!ってことでグラスへ注いでいく。
なんだかプレモルってこんな色だったっけ?
まるでヴァイツェンのような濁り。そしてオレンジ色のビジュアル。
初めは濁りもそこまで無かったんだけど、注ぎきる最後の方に酵母?らしきものが一気にダァーっと入ってきてご覧の通りの濁り具合に。
泡は目が粗くてシュワシュワと音を立てる感じ。これも「あれプレモルってこんな泡立ちだったっけ?」と。
あらゆる猜疑心的なものに包まれながらも香りを確かめてみる。
香りは……うん……そこまで変わらんかな?
普段とは違い、黄桃のような香りが若干するんだけど、まぁ気の持ちようだと自分に言い聞かせる。
たぶん普通のプレモルと変わらん。
そう、普通に売ってるプレモルを買ってきたんだ。それが普段とは明らかに違う濁りと香りを放ってるだけなんだ。
き っ と 大 丈 夫。
この言葉を3回ほど言い聞かせていざ飲んでみる。
あれ?なんか普通に美味しいぞ
なんだかおかしい。変だ。妙でへんてこで突飛で。更には異様でへんちくりんで希代だ。
プレモルと言えば麦芽の濃厚な甘みが口いっぱいに広がる。それがユーザーの心を打ってきたのだ。
なのにコレはなんだ。
まるでヴァイツェンのような、まろやかな飲み口とバナナのような甘み。
「酸化しているのでは?」なんて前評判を軽く覆す、オフェンス要素を一切排除した味わい。
これはコレで商品として十分に成り立つのではないか。
今回は『プレミアムモルツ -師走の那須高原から送る曇りなきヴァイツェン-』をご紹介!的な。
誰にも気づかれず、だけど破棄もされず耐え忍んだ5年で、プレミアムビールの王道を行くプレモルは更なるステージに舞い降りた。
もし期限を大きく過ぎたビールがあるのであれば、是非試してほしい。
麦芽・ホップ・酵母たちは、「いつか夢見る日を」と長きに渡り耐え忍んでいるのだ。飲まない他ないだろう。
ってことでレビューは以上。
※飲んだ次の日、職場の管理栄養士に「昨日アレ飲みました?」的なこと聞いたら
『あっアレ半分飲んでもういいやってなりました』と。
ここまで黙ってましたが私は味覚音痴です。